約 3,740,926 件
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/5044.html
今日 - 合計 - ファイナルファンタジーI・IIの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 15時51分15秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/9459.html
ファイナルファンタジー ピクセルリマスター 機種:iOS,And,PC,PS4,NS 作曲者:植松伸夫 編曲者:宮永英典、村井歩、青山勇士、野田博郷、足立知謙、裏谷玲央、片岡真悟、小見山優子、椎葉大翼、高木了恵、常本絵理、長谷川憲人、甲田雅人、常本正也、足立知謙 開発元:トーセ 発売元:スクウェア・エニックス 発売年:2021~2022(iOS,And,PC)、2023(PS4,NS) 概要 『ファイナルファンタジー』から『ファイナルファンタジーVI』までの6作品を2Dリマスターした作品群のこと。 各作品のオリジナル版をもとに、新しくなったグラフィックやサウンドでプレイできる。 ゲームバランスも調整されており、ギャラリー機能やサウンドテスト、オートバトルなどが実装されている。 2021年に『FFI』・『FFII』・『FFIII』・『FFIV』・『FFV』が配信され、2022年2月には『FFVI』も配信され6作品が全て揃った。 2023年には、エンカウントオフや獲得経験値4倍などのブースト機能、BGMを原曲に切り替える機能などの追加要素を搭載したコンシューマ版が発売された。 BGMは原作の作曲者である植松伸夫氏が完全監修。オリジナル版楽曲をベースにフルアレンジされている。 元カプコンや元トーセなどの多数のアレンジャーが参加。椎葉大翼氏が各アレンジ曲における楽器のスコアやパート譜を製作したという。 基本原曲の雰囲気に忠実に沿ったアレンジとなり、オリジナル版の制作当時にハードの制約で実現できなかったことが表現されている。 Steam版には事前&早期購入特典としてスペシャルサウンドトラック(3曲)が付属されている。 スペシャルサウンドトラックは、オリジナル版の楽曲が今回のリマスター版のアレンジ楽曲へと徐々に変化するバージョンが楽しめる。 収録曲(サウンドトラック順) ※ゲーム内の収録曲についてはそれぞれ『FFI』・『FFII』・『FFIII』・『FFIV』・『FFV』を参照。 曲名 作・編曲者 補足 順位 メイン・テーマ(タイムラプス・リミックス) 編:長谷川憲人 「ファイナルファンタジー スペシャルサウンドトラック」収録 マトーヤの洞窟(タイムラプス・リミックス) 編:片岡真悟編:宮永英典 戦闘シーン(タイムラプス・リミックス) 編:青山勇士 戦闘シーン1(タイムラプス・リミックス) 編:片岡真悟 「ファイナルファンタジーII スペシャルサウンドトラック」収録 反乱軍のテーマ(タイムラプス・リミックス) 編:常本正也 メイン・テーマ(タイムラプス・リミックス) 編:片岡真悟 バトル1(タイムラプス・リミックス) 編:片岡真悟 「ファイナルファンタジーIII スペシャルサウンドトラック」収録 悠久の風1(タイムラプス・リミックス) 果てしなき大海原(タイムラプス・リミックス) 赤い翼(タイムラプス・リミックス) 編:宮永英典 「ファイナルファンタジーIV スペシャルサウンドトラック」収録 ファイナルファンタジーIV メインテーマ(タイムラプス・リミックス) 編:小見山優子編:宮永英典 バトル2(タイムラプス・リミックス) 編:宮永英典 ファイナルファンタジーⅤ メインテーマ(タイムラプス・リミックス) 編:裏谷玲央 「ファイナルファンタジーV スペシャルサウンドトラック」収録 ビッグブリッヂの死闘(タイムラプス・リミックス) 編:小見山優子編:宮永英典 新しき世界(タイムラプス・リミックス) 編:足立知謙 PV(FFI) PV(FFII) PV(FFIII) PV(FFIV) PV(FFV)
https://w.atwiki.jp/femaleenemey/pages/39.html
ファイナルファンタジーVIII ゲーム概要 FFシリーズ第8作目。 GF(ガーディアンフォース)の力を借りて圧倒的な力を誇る傭兵SeeDと、強大な力を持つ魔女の戦いを書く。 魔法をステータスに装備する、という「ジャンクションシステム」は、大衆的なシステムとは言えず賛否両論が激しかった。 魔法集めは、ドローよりも精製がメインであるのだが、それが分かりづらいのも否の一因だったのかもしれない。 なお雑魚の女敵は全く存在せず、ボス敵(またはボス敵のパーツ)のみが女敵として登場する。 風神 その他画像 攻撃方法 エアロ:風系魔法。一戦目のみ使用。 リジェネ:単体を徐々に回復させる。二戦目で使用。 エスナ:ステータス異常回復。二戦目で使用。 ヘイスト:対象の行動速度を速くする。二戦目で使用。 スロウ;対象の行動速度を遅くする。二戦目で使用。 ブライン:対象を暗闇にする。二戦目で使用。 コンフュ:対象を混乱にする。二戦目で使用。 ペイン:単体に毒+暗闇+沈黙。二戦目で使用。 メテオ:隕石を落とし、ランダムで10回ダメージを与える。二戦目で使用。 トルネド:全体風系魔法。一戦目と二戦目で使用。 斬:単体に物理攻撃。一戦目と二戦目で使用。 砕:単体のHPを1にする。一戦目と二戦目で使用。 滅:全体に物理攻撃。二戦目のみ使用。 ハイポーション:HP回復。一戦目のみ使用。 万能薬:ステータス異常回復。一戦目のみ使用。 語録 「仲間だよ。いつでも仲間だよ。くやしいよ…スコールに頼るしかないなんて」 備考 雷神と共にサイファーの「仲間」の一人。17歳。 相棒である雷神に対して、ローキックで突っ込む。 基本は漢字のみで喋る独特の口調だが、ルナティックパンドラにおいては普通に喋ってたりもした。 当初はバラムガーデンの生徒で、サイファー・雷神と共に風紀委員を務めてたが イデア(を操ってるアルティミシア)に操られるサイファーを肯定し、雷神と共にサイファーに付き従う。 そのためスコール達とも敵対するが、最終的には洗脳され暴走を繰り返すサイファーを止める事をスコール達に託す。 エンディングにおいては、憑き物が落ちたような清々しい表情に戻ったサイファーや、いつもの様にボケる雷神と共に釣りをしていた。 バラムとルナティックパンドラの二回戦う。どちらも雷神とコンビを組む。 なお、バラムで出てきた時はGFパンデモニウムをドロー出来るので、忘れずにドローしておこう。 イデア その他画像 攻撃方法 ファイガ:炎系魔法。一戦目のみ使用。 サンダガ:雷系魔法。一戦目のみ使用。 プロテス:物理攻撃を半減させるバリアを張る。一戦目のみ使用。 シェル:魔法攻撃を半減させるバリアを張る。一戦目のみ使用。 アストラル・パンチ:単体に無属性ダメージ。一戦目のみ使用。 デスペル:有利なステータスを打ち消す。一戦目と二戦目の両方で使用。 ブリザガ:氷系魔法。一戦目と二戦目の両方で使用。 デス:対象を即死させる。二戦目のみ使用。 ファイラ:炎系魔法。二戦目のみ使用。 サンダラ:雷系魔法。二戦目のみ使用。 リフレク:魔法を反射するバリアを張る。二戦目のみ使用。 スロウ:対象の行動速度を遅くする。二戦目のみ使用。 サイレス:対象を沈黙にする。二戦目のみ使用。 メイルシュトローム:全体に現在のHPの半分ダメージを与え、カーズにする。二戦目のみ使用。 語録 「おまえの中の少年は行けと命じている。 おまえの中の大人は退けと命じている」 「もう戻れない場所へ。 さあ、少年時代に別れを」 「ともに創り出す究極のファンタジー。 その中では生も死も甘美な夢」 「……SeeD。呪われし種……」 備考 スコール達と敵対するガルバディアに突如現れた謎の魔女。 DISC1のラストとDISC2のラストの二回戦う事になる。 当時はガルバディアのデリング大統領と手を結んで、対立する国家への大使を務めるはずだったが 強大な魔力を持って、すぐにガルバディアの最高指導者の座へとのぼりつめる。 だが本来のイデアは心優しい女性で、元々は夫であるバラムガーデンの学園長・シドと共に孤児院を経営していた。 孤児だったスコール達には「ママ先生」と慕われていた。 イデアは、ラスボスであるアルティミシアに意識を乗っ取られており、DISC2のラストでスコール達に敗れた事で正気を取り戻す。 アルティミシアに乗っ取られた経緯についてはエンディングで語られる。 余談だが、発売前の事前情報では、強大な敵としてやたらイデアがプッシュされていたが、今にして思うとどうかと思う。 アデル その他画像 攻撃方法 ホーリー:聖系魔法。 フレア:無属性魔法。 ドレイン:HP吸収。リノアに対して使用。 クエイク:全体に地属性魔法。 メテオ:隕石を落とし、ランダムで10回ダメージを与える。 アルテマ:全体に無属性大ダメージ。「アデルに魔力が集中する!」のメッセージ後に使用。 エナジーボマー:物理攻撃。 語録 備考 かつてエスタを支配してた邪悪なる魔女。 マッチョで男らしいが、魔女と言うのだから女なのだろう。 ラグナの機転によって封印され、宇宙で監視されていたが、 アデルの力を求めるアルティミシア(が乗り移ったリノア)によって、封印が解かれる。 その後、ルナティックパンドラでサイファーによってリノアと融合させられ、不完全ながら復活を果たす。 DISC4に入ればアデルを倒すまで、ルナティックパンドラを脱出する事が出来ないのでハマる可能性も高いので注意が必要である。 リノア その他画像 攻撃方法 攻撃しない 語録 「ああ…」 備考 アデルと融合させられたリノア。 アデル戦ではリノアのHPが0になってもゲームオーバーで、それがアデル戦の難易度を引き上げてる一因でもある。 全体攻撃や対象がランダムに変化する攻撃が制限されるのである。 アデルはリノアにドレインをかけてHPを吸収する。 ドレインはシェルで半減出来るので、使用しておくのも良い。 またはリノア自身からリジェネをドロー出来るので、放っておくのも有効。 なお全体攻撃でアデルと同時にリノアのHPを0にしても勝利になる。 「魔女」 前半 後半 ラスト その他画像 攻撃方法 ファイラ:炎系魔法。前半の魔女が使用。 ブリザラ:氷系魔法。前半の魔女が使用。 サンダラ:雷系魔法。前半の魔女が使用。 フレア:無属性魔法。後半の魔女が使用。 クエイク:全体に地属性ダメージ。後半の魔女が使用。 メテオ:隕石を落とし、ランダムで10回ダメージを与える。後半の魔女が使用。 アルテマ:全体に無属性大ダメージ。最後の魔女が使用。 語録 備考 厳密には前半に登場する「魔女」・後半に登場する「魔女」・最後に登場する「魔女」と 三タイプの「魔女」が存在しているが、名前が全て「魔女」と同じなので、同事項で扱う。 時間圧縮世界に現れる、歴代の魔女達。 全員レベルは45で固定されている。 連続バトルになり、次々と「魔女」が現れる。 「魔女」を倒すと、「魔女」の笑い声と共に、次々と背景が変化して次の「魔女」が出る。 前半の魔女は大した事なく、後半の魔女はそこそこの強さだが 最後に登場する魔女は、5からカウントダウンを初めて、1になると直後にアルテマを使用したり 威力が高い物理カウンターを仕掛けるなど強敵である。 セーブしてしまうと「魔女」を全滅させるまで、出られないのでハマりに注意である。 アルティミシア その他画像 EDより。 EDでリノアと顔が被ってる(?)画像。 攻撃方法 メイルシュトローム:全体に現在のHPの半分ダメージを与え、カーズにする。第一形態が使用。 ショックウェーブパルサー:全体に無属性大ダメージ。グリーヴァと融合した時に使用。 アポカリプス:全体に無属性大ダメージ。最終形態が使用。 語録 「・・・・・・eed・・・SeeD・・・・・・SeeD・・・・・・SeeD、SeeD、SeeD!!」 「気に入らない・・・・・・なぜ魔女の邪魔をする!なぜ私の自由にさせない!?」 「もう少しで完全なる時間圧縮の世界が完成するというのに・・・・・・」 「邪魔はゆるさんぞ・・・・・・」 「おまえらの存在なぞ時間圧縮のアルコリズムに溶け込んでしまうがいい!!」 「激しい痛みとともに思考が分断され記憶も思い出も極限にまでうすめられるのだ」 「何もできず、考えられず、思いすら何もない!そんな世界に、おまえたちをおくってやろう!おまえたちにできることは何も・・・・・・」 「いや、おまえたちにできることは唯一で永遠の存在である私をあがめること!!」 「さあ、最初に来るのは誰だ!?誰が私と戦うのだ!?」 「ふ・・・・・・誰であろうと結果は同じこと!私が選んでやろう!」 「おまえの思う、最も強いものを召還してやろう」 「おまえが強く思えば思うほど、」 「それは、おまえを苦しめるだろう」 「ふふっ」 「ふふっ 記憶がなくなる?」 「本当のG.F.の恐ろしさはそんなものではない」 「G.F.の真の恐ろしさ、きさまらに教えてやろう」 「その力、見せてやれ!グリーヴァ!」 「思い出したことがあるかい」 「子供の頃を」 「その感触」 「そのときの言葉」 「そのときの気持ち」 「大人になっていくにつれ」 「何かを残して 何かを捨てていくのだろう」 「時間は待ってはくれない」 「にぎりしめても」 「ひらいたと同時に離れていく」 「そして…」 備考 ラスボス。イデアやリノアにとり憑いていた未来の魔女。 全ての時間を一つにして、世界を支配するという時間圧縮を企てる。 スコール達が所属しているSeeDを敵視している。 アルティミシアが最初の戦闘メンバーを選ぶ(ランダムに戦闘メンバーが決まる)。 第一形態はグラマーなお姉様といった感じだが 次に召喚したグリーヴァ(スコールの指輪のライオン。名前変更可能)と融合して、上半身だけの姿となる。 そして最終形態は、顔がもやにかかったように見えない姿形となってしまう。 強い魔法をジャンクションしていないと苦戦は必死だろう。 なお、一部ではヒロインであるリノアと同一人物(未来のリノア=アルティミシア)という説もある。 とは言え、この辺りについては公式で明確に語られてはおらず、肯定派と否定派に分かれている。 リノア=アルティミたま説は備考に入れるには説得力弱くないか? -- 名無しさん (2006-12-15 21 05 01) まあ、そうだよね。つー事で微修正。 -- 名無しさん (2006-12-15 22 52 05) 名前 コメント ファイナルファンタジーVIII(召喚)
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/3162.html
今日 - 合計 - SEGA AGES ファンタジーゾーンの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 15時01分29秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/chibi-fantasy/pages/2.html
メニュー トップページ 攻略 アイテム ペット 街施設 マップ エリア別 職業 必要経験値 メニュー テンプレ プラグイン @ウィキ ガイド @wiki 便利ツール @wiki 更新履歴 取得中です。
https://w.atwiki.jp/nothing/pages/483.html
出会い お腹がすいているから、なんでもかんでもおいしそうに見えた。故郷を出て数週間、ようやくたどり着いた旧アプリリウス王都はそれはそれは活気のある街だった。 「とても帝国に負けた国とは思えないよなー」 ついぽろっと口に出してしまったら、バザールのおばちゃんにジロリとにらまれてしまった。砂で汚れた少年が愛想笑いをしながら、品物の果物に手を伸ばす。 「こ、これいくら?」 「30エンだよ!」 背負ったリュックから財布を取り出してエン通貨を探すが見つからない。少年は慌てて、服のポケットや別の袋を探すが。・・・・・・バザーで流通しているのが、旧アプリル通貨だということを知らなかったから持ち合わせなどあるわけがなかった。 その上、一口齧ってしまっていた。 「なんだい、払えないのかい!?」 「あっ、いや、そうじゃなくて・・・」 良く見ると随分と体格よさそうな女性だ。 少年の3倍の容量がありそうなボリュームの女性がずいと身を乗り出してくると、結構な迫力になる。たかが30エンくらいで何をもたつくんだ、俺! と奮起させても、脳裏に浮かんだのは古くからのことわざ。 三十六計逃げるに如かず。 自然とその場をもうダッシュで駆け出していた。 背中に当たるのはバザールのおばちゃんの叫び声とそれに呼応した男達の手だったけれど、足には自信があったからなんとかバザールを抜け出すことができた。 おかげで、完全に初めての街で迷子になってしまっていた。 仕方ないから少年は食べかけの果物を手に、街の様子を見て回る。小さな子供が路地を駆けて行き、ポスッとぶつかる。 「こらっ!?」 怒った時にはもうずっと後ろを駆けていた。 本当に、帝国に屈した国とは思えない。 照りつける太陽の日差しが街を流れる水路に反射してまぶしく手をかざす。すると、帝国の紋章が入った赤い垂れ幕が視界の片隅にちらついた。 門や大きな建物には必ずと言っていいほどぶら下がっている。 「盗むなら帝国軍人からにしろよなー」 「バザールのおばちゃんからくすねるなんて不貞ぇ野郎だ」 行く手を塞ぐ少年二人組み。 街の子供だろうか。 「別に・・・最初から盗むつもりじゃなかったんだよ。ちょうど今、エン持ってなかっただけ」 「あーあー、こそ泥はいつも同じこと言うんだよねえ」 「お前、他所者だろ?」 格好を見れば一目瞭然。 反対に相手は、この街にマッチした涼しげな格好をしていた。 「この街の奴らと言葉が微妙に違うもんな。どこの田舎から出てきたんだよ」 「どこか行きたいところはあるか? おのぼりさん」 間違いじゃない。 この街は初めてで、実を言えば迷っている。 けれど、少年にとってそれを素直に認めるのはしゃくだった。 どこに行きたいかだって? そんなの決まっている。 あの噴水の向こうに見える馬鹿でかい建物に行きたいんだよ。けれど、見えているばかりで一向にたどり着けないのだ。まっすぐ進むには建物や路地が邪魔をする。 「まずは宿屋ってとこか?」 「あっ、でもこいつ金持ってないじゃん」 完全に馬鹿にした態度に頭にくる。 手持ちのエンがないだけで、帝国領内で流通しているゴールドならあるのだ。 「金ならあるっ!」 「へぇ~、どこに?」 「ほらっ・・・って、あ・・・」 あるはずの財布がない。 バザールで出した時はちゃんとあったのに。 あれからどうしたと記憶を辿れば、ちゃんとリュックにしまった記憶がない。ポケットを探した時に突っ込んだままだったのか。 盗まれたのだ。おそらく、路地でぶつかった子供。 背中を冷や汗が流れ、目の前のふんぞり返っているこの街の子供に一矢報いるどころか代えって窮地に追い込まれてしまったのだと悟る。 さて、どうやって挽回するか。 ふと目に入るは一際大きな建物。 「あそこに、さっ!」 指差す先はかつてこの地を収めていたアプリル王国の王宮。 覇王の末裔のクライン家が歴代住んでいた宮殿にはそれは目もくらむお宝が眠っているのだろう。持ち主がクライン家から帝国に替わっただけで、今も莫大な財宝があるに違いない。たとてその大部分は帝都に持ち去られた後だとしても、一市民が一生遊んで暮らせるお宝の一つや二つは残っているはずだ。 スリと勘違いして少年にちょっかいをかけてきた奴らだ。何か思うところがあるだろうと睨んだがそれは正解だったようだ。 「お前・・・本気か?」 相手の少年の目が急に鋭くなる。 「ああ」 「なんだやっぱり金持ってねーじゃん」 「これから稼がせてもらうんだよ」 稼がせてもらうというのとは少し違うのだが、強ち間違ってはいないだろう。 何も何の当てもなく、アプリリウスくんだりまで来たわけではない。王宮勤めになると聞いた兄に会いに来たのだ。その時に少し金子を工面してもらおうと思う。 ところが戯言だと笑って済ますどころか、目の前の少年達はさらに厳しい顔つきになる。 「このままおとなしく返すわけには行かないな」 「ついてきな。っと、その前に、お前の名前は?」 「俺は、シン」 「じゃあ、シン。俺はスティング、こいつはアウル」 「はぐれるなよ、田舎モン」 「シンだ!」 シンが連れて行かれたのは、路地裏の小さな商店だった。 売っている物はちょっとした小物や服、薬で街の何でも屋といった風で、その店のさらに置くに子供から大人まで数人が集まっていた。 「こいつが、王宮に忍びこもうっていうバカか」 「バカってどういう意味だよ」 シンはついくせですぐに言い返してしまったが、代えって連中の笑いを誘うことになった。連中の一人が口を開く。 「どうやって王宮に忍び込む気だったのかねぇ」 「唯でさえ、新しい執政官が就任して警備が厳しいってのにさ」 「それとも誰か伝でもあるのかい?」 何人もの目に囲まれて言葉に詰まる。 困った展開だなと思っても、抜けだすタイミングがない。できれば係わり合いになりたくない連中だけれども、まてよ・・・とシンは考え直す。 逆にこっちが利用してやればいいんだ。 まんまとお宝をせしめて兄をびっくりさせてやろう。 「そっちこそ、俺にお宝を独り占めされるのが怖いんだろ」 「バーカ」 口を尖らせるアウルとは反対に、ニヤニヤと笑う男達。 「ああ、それは困るな。俺達のお宝を狙っているんでね」 思ったとおりだ。シンは内心ほくそ笑む。 「そこでものは相談だ」 ほら来た。 「俺達と手を組まないか?」 日が暮れるのを待ってシンを含めた盗賊団は行動を開始する。 王宮周辺の警備は盗賊団の男が言ったとおり、確かに物々しい警備だった。至る所に鎧を着た警備兵が立っており、一般の通行人の往来を妨げていた。聞けばアプリリウスに入る各門も制限しているらしく、間一髪だと胸を撫で下ろした。 正面から忍び込むのは危険すぎると、地下水道から王宮へと忍び込む。当時の技師を調べ上げて、地下水道から王宮へと繋がる道を探し当てていたのだから、意外と頭の回る連中なのかも知れない。 王宮内に忍び込んでからは二手に分かれた。 ところが。 「大丈夫か?」 シンは金髪の少女とペアを組んで宝物庫を目指すことになった。・・・なったのだが、盗賊にあるまじきのんびりさ加減に驚いた。 ステラと名乗った少女は、帝国兵がうろうろしている通路を平気で進んで行くのだ。シンがせっかく見つからないように遠回りしているのに、実に暢気にじゅうたんの上を歩いていく。 「だあーー、そっちじゃない!?」 「あっ、ばかっ」 3度、シンがステラに注意した時についに帝国兵に見つかってしまった。ガチャガチャと鎧を鳴らして数名の帝国兵が駆けてくる。 「ステラはそっから戻れっ! 早く」 「・・・シンは?」 通路を挟んで小声で話し合うが時間がない。 「もう少しをここをかき回してから追いかける。ステラは早く逃げろ!!」 「うん。シンもすぐ来る?」 「すぐ行くから心配するなっ」 「いたぞーーっ」 兵士の野太い声が迫っていて、二人はさっと反対方向に走りだした。気が付けば追ってくる兵士の数が倍になっている。 「冗談じゃないぜ」 お宝を見せびらかすつもりが、窃盗の容疑でとっつかまった所を見られたら何を言われるか分かったものじゃない。シンは行き止まりの壁に埋め込まれていた通風孔を外して無理やりなかに忍び込んだ。 息を殺して帝国兵が通り過ぎるのを待つが、なかなか追っ手は減りそうもない。 暗闇に目が慣れてきたから、別の脱出ルートを探し始めた。暗がりで唯のスペースだと思ったそこは、向かいに階段があるようだった。 四つんばいになってすごすごと階段まで進む。 通路にまだ帝国軍がいるのを確認して、階段を降りることにした。 「どこだ、ここ」 たどり着いた部屋は何もなく、巨大な扉があるだけだった。 かび臭い部屋のじゅうたんは一歩進むごとに、細かい埃が舞い上がって、思わず咽そうになる。 「いいや、開けちゃえ」 その日は新しい執政官就任のパレードがあったせいか、街はお祭り気分だった。警備は厳しかったが、着任の挨拶に立った執政官が平和を望む演説をしたせいで、噂ほど苛烈な人物ではないのかもしれないという安堵があった。 新任の執政官は帝都で辣腕を振るっている切れ者だと言う前評判だったのだ。 きな臭い噂の絶えることのないアプリリウスにそんな男がやって来る。街が色めき立たないわけがなかった。 思い出す就任のパレード。 この街にやってきた理由。それは新しい執政官を見るためでもあった。 遠くの階段からじっと姿を見つめ、太陽の光を反射する銀の髪を見て、周りの評判に耳を澄ます。 演説の後に拍手が沸き起こった時、一番安堵していたのはシンだったのかも知れない。 表面上、平和そうに見えるこの街でも反帝国の動きはあって、彼らにとって新しい執政官は絶好の的だからだ。 パレードも就任演説も無事終わり、差し当たりこの街がどうこうなることはなさそうだ。 4人兄弟の末っ子に生まれ、年の離れた兄達。 さして仲が良かったとは言えないが、それでも肉親を亡くす悲しみを何度も味わうのはごめんだった。3人の兄の中で唯一兄弟らしい関係にあった兄はもういない。今は二人の兄のうち、また一人が離れていくと聞いて、居ても立っても居られなかった。 もう、2度と会えないような気がして。 帝都から遠く離れたアプリリウスまで来てしまった。 良かった。兄上、これなら大丈夫そうだ。 音もなく開いた扉の向こうにあるものを見て、シンは目を見開いた。人一人が遊んで暮らせる量なんてとんでもない。価値が分からないものも多くあるが、一見して高価なものと知れる坪やら甲冑やら宝石箱やらが所狭しと並んでいてる。 中でも一際目を引くのは中央に置かれた大理石の女神像だった。 シンの背丈よりも高い女神は残念な事に顔がなく、卵のようにつるんとした頭をしていた。惹かれるように歩み寄り、そのすべすべの肌に触れてみる。 すると途端にがしゃと卵が割れて中に隠してあったものをさらけ出した。 なんだこれ? 宝石とも違うこぶし大の石。しかし、ぼんやり光を放っているようにも見えて、月明かりに照らしてみる。朱や橙の光が浮かんでは消える。珍しいものにシンはその石をかざした。 「そいつを渡してもらおうか」 ハッとして、声のした方を見ると長い耳をした亜人と白いシャツを着た男が立っていた。 シンは驚きのあまり呼吸が止まった。 戻る 続く 途中までは展開をなぞるので、バレバレですよねぇ。翌日、ちょっぴりラストを修正してます。うわ、1W後にまた修正してますよ、この人。
https://w.atwiki.jp/nothing/pages/505.html
空中都市ターミナル 白い雲も近づく程に色を失っていつの間にか通り過ぎている。 降り注ぐ太陽の光が濃淡を描いてまた次の雲の山を照らす。 蒼穹の天蓋は何処までも続き、雲の切れ間から空を映す海が覗き、緩やかな曲線を描きつつ空と海の境界線はなかった。 「やっぱり、お前も飛空挺が好きなんだなあ」 「当たり前だろ! 男だったら一度は飛空挺乗りだぜ」 何日も掛けてたどり着いた帝都から辺境のアプリリウスまでだって、飛空挺ならひとっ飛び。定められた道も、委ねるしかない風もない、この開放感。 「だよな。俺も、いつかはアレックスみたいに、自分の飛空挺を持ちたい!」 飛び立って15分、セイバートリィは砂漠の遥か上空に達していた。 下界を臨めるうちは窓にへばりついていたシンも、見渡す限りの雲海と蒼みを増した天空から目を離してヨウランやヴィーノ達と会話をするようになっていた。 「ターミナルって所までどれくらいかかるんだ?」 「半日くらいじゃないか?」 「えっ、ターミナルまで半日で行けるの?」 シン達の会話を聞いていたキラが会話に参加する。 軍用の高速挺ならまだしも、通常であれば半日と言わず、その1.5倍は掛かる空路である。 「そう! それがこのセイバートリィのすごい所!」 「そんじょそこらの飛空挺と一緒にしもらっちゃ困る。なんせ、最速の空賊だから」 最速とは大きく出たものだ。 シンは自分の知る限り、最速の飛空挺は帝国軍の高速挺の中でもフルチューンされた兄の飛空挺。 「最速って、軍の飛空挺より?!」 「勿」 ヨウランの二つ返事に純粋な驚きとちょっとした悔しさを感じるが、キラは普通にその返事に感じ入っていた。 「だからこんな派手な色でも問題ないって事だね」 「ま、ね」 「乗ってる俺達は確実に寿命を縮めているけどな!」 「聞こえてるぞ!」 突如割り込んだ声に、ヨウランとヴィーノが慌てて手を伸ばす。 「やべっ、掴まれ!」 声と同時に全身に掛かる力。回転する視界。 !! 息つく間もなくシンは、背中に衝撃を感じて、目を開けた。 目に入ったのは、幾つものの足と大丈夫そうに覗き込むヨウランとヴィーノ。 一回転した飛空挺で、シン1人だけが床に転がっていた。 「イッテ・・・い、いきなり、何って事すんだよ!」 「そのとろさじゃ、飛空挺乗りにはなれないな」 コックピットの中にアレックスの笑い声が響いた。 恥ずかしさと悔しさとで、涙目で睨みつけるシンだった。 朝、アプリリウスを飛び立って太陽が天頂を過ぎた頃、深紅の飛空挺が空中都市ターミナルを捉えた。空に浮かぶ島に建物があって、そこには大きな街があった。 『少女を帰して欲しくば、採石場にて待つ。逃げるなよ』 オレンジ色の手紙を回し読みして、空中都市ターミナルに降り立った。空の上だというのに快適な気温に、地上と変わらない街並みが見える。 「どこに行くつもりだ?」 ヨウランとヴィーノがセイバートリィに残って整備その他買出し、シンのステラ救出にアレックスとミーア、それにキラが加わる。 「一緒に行ってくれるのかよ」 シンと同じ方向に歩き出すアレックスに問いかける。今まで散々、彼のだらしなくて横着なところを見ているから、進んで助けてくれる姿が少し意外だったのだ。 「その少女を助けないと、報酬とやらが手に入らないのだろう?」 「ああ、そう!」 「採石場は街を向こうにある鉱山だ。さっさと行こう」 評価がコロコロ変わる空賊に、シンは負けじと先を急いだ。 長い階段を上り街の入り口に立つ。そこはT字路になっていて、左に折れれば九十九折の階段が街へと続く。 「こっちは何?」 右手の大きな門の前には衛兵が鋭い槍を持って警備していた。 「バルトフェルト侯の館だよ。この空中都市の領主だね」 「帝国と王国復興レジスタンスとも繋がっている、胡散臭い奴さ。このご時勢の中、自治を守っている事は賞賛に値するけれどね」 空中都市ターミナルをこの時になってようやくシンは思い出した。 帝国に屈するを良しとしない自治領・ターミナル。 算出される鉱石を主要産物として、貿易で成り立っている街。自分とてその領主バルトフェルト侯と幾度か会ったことがあるではないか。 「僕はこの方に用があったのだけど、とても会えそうにないね」 確かにキラは、シン達とは別に用事があると言っていたのだ。 彼はかつてのアプリル将軍だから、面識があってもおかしくはない。しかし、それを今、公にできるかどうかは情勢を見据えなければならず、見ず知らずの旅行者としておいそれと会うことはできなかった。 俺も気軽に顔なんて出せないよな。 そんな事をしたら最後、絶対に兄にばれるだろう。 「それなら、一緒にステラって子を助けに行きましょ」 「そうするしか、ないね」 4人が街を抜けて採石場にたどり着くと、鉱山だけあって、ひんやりした洞窟が目の前に待ち構えていた。薄暗い鉱山のあちこちに惹かれた採石の設備。足元を照らす明かりと、取り出した石を運ぶトロッコとそのレール。 「採石場って、具体的には魔法の元になる石を掘り出すんだよな」 「ええ、そうよ。シードを含んだ石ね」 「それって、売れるのか?」 それが、どうも、よく分からない。 「魔法を使わないシンにはイメージできないかもしれないわね。魔法の源になるシードは空中に僅かに含まれているの、そのシードを集めて魔法を使うの」 「魔法を発動するには多くのシードがいる。だから、シードを多く含んだ石はその手間を減らせるから貴重なんだ」 途中から、ミーアに替わってアレックスが説明を乗っ取って畳み掛ける。 足を進めた鉱山に声が木霊する。 しかし、洞窟に響くのは声だけではなかった。 「こうもりとか!」 「ねずみの大群とか!」 「ゾンビとか!」 「なんでいるんだよ!」 4人は行く手を邪魔するお呼びない存在を相手にしながらステラを探す。鉱山は採掘に沿って幾つも道が分岐し、行っては戻り、戻っては引き返す事を何度も繰り返す。 「シン!」 走り通しで、疲れのためふらりと身体が傾く。運悪くコウモリの超音波で視界がゆがんでしまった。集中攻撃を受け、シンは残った3人が大慌てでそれらをやっつけた後に、へなへなと座り込んでしまった。 「だいぶ、酷くやられたね」 「薬を塗って置けば直るなんてもんじゃないな」 引き裂かれて長袖は半そでになってしまっていたし、頬や手の甲に血が滲み、腕がざっくりと切れている。 「ミーア」 「え、あたしなの?」 ミーアがシンの傍に座って傷の具合を確認する。 「治癒の魔法を掛けてあげる。じっとしていてね」 ミーアが目を閉じて、胸の前でぎゅっと手を握った。 シンはさわさわと空気が流れたと思って、目を瞠った。 空気の流れが目に見えるのだ。 淡い緑色の光が風のようにミーアの手の中に集まっていく。 その手がゆっくりと開いて、手の中から光とも水とも着かないライトグリーンに揺れる何かがシンの腕にこぼれ落ちる。最初は冷たいと思った感触は、次第に暖かくなって、痛みが引いて行く。 光が消えた時、腕に走っていた裂傷が消えていた。 「魔法・・・ミーアは魔法が使えたんだ・・・すごい」 「あら、訓練次第で誰でも使えるようになるのよ」 「俺でも?」 ミーアがシンの腕をぺちっと叩いた。 「勿論よ」 シンを覗き込んで、にこっと笑う。 「二人とも、和んでいる暇は無さそうだぞ」 アレックスの声に顔を上げれば、立ち止まっていたおかげですっかりゾンビに囲まれていた。シンもミーアも立ち上がって、ミーアは弓を引き、シンは剣を構えた。 それから道を引き返すこと2回。 鉱山の道の割れ目から雲海を覗くこと3回。 シン達は今まさに採掘の現場と思われる所に出た。集まったトロッコや、人が大勢集まっていた形跡がある。木箱がうずたかく詰まれて散らかっている。 「誰もいない?」 そんなことは無かった。 靴音に振り向いてみれば、今まさに辿ってきた場所にオレンジ頭と金髪頭の二人が立っていた。 「ようやく着いたか」 しかし、二人しかいない。 「ステラは何処だ!?」 シンが叫ぶと、オレンジ頭が鼻の頭をかきながら告白した。 「あっ・・・と、その子なら、突然、走り出しちゃった」 何となく照れくさそうに見えるのはなぜだろう。 「いい加減だね。女の子をこんな所で1人にするなんて」 呆れた口を開いたのはキラ。しかし、オレンジ頭も黙っていない。 「失礼だな。あの子が勝手について来たから、分かりやすく教えてやったのに。まあでも、ここまでおびき寄せれば俺達的には問題ないっしょ」 「ラスティ! お前っ」 「それって逃げられたってことじゃ・・・」 シンはここまで来てステラいないことにがっかりし、『突然走り出した』の意味を口に出していた。なるほど、確かに男二人が少女1人に逃げられてしまっては、堂々と言うのは憚られるかもしれない。 「変な事言いながら、急に凶暴になってねえ。その子を探しに行きたきゃ、行けば? きっと奥だぜ。っと、アレックスはここまでだけど」 「ミゲル・・・しつこい男は嫌われるぞ」 ため息交じりで呟くアレックスにミーアが尋ねる。 「どうするの?」 「どうするって、俺はミゲル達に捕まる気はさらさらない」 元々は、アレックスを追う奴らが彼をおびき出そうとステラを攫ったのだ。彼らにしてみれば、アレックスさえここに来れば目的は達したわけだ。後は、何やら揉めているらしい彼らとアレックスの問題・・・と言うわけには行かなかった。シンはダシに使われたステラを助けに来たのだ。 「何ごちゃごちゃ言ってんですか。ステラを探さないと!」 肝心のステラがいなくてはシンがここまで来た意味が無い。アレックスのことは放って置いて、彼女の行方が気になって仕方がなかった。4人がかりで何とかたどり着けた採石場なのだ、あんな少女が果たして無事だろうか。 居ても立ってもいられなれない。 その焦燥が皆に伝わってくる。 シンは言うに及ばず、キラもミーアも、勿論の渦中のアレックスにも。 「と言うわけだから、俺はここで失礼する」 走り出したシンを追ってキラが続き、アレックスとシン達を交互に見るミーアが背中を見せると、アレックスも手を振って奥へと走り出した。 「あっ、こら待て! そっちは・・・」 行き止まりだけど・・・。 シン達がラスティの呟きを聞くことは無かった。 更に奥へと進むと、ちょっとした空洞の壁が僅かに光を放っていた。 「ここは・・・」 ミーアが胸を押さえて足を止める。 まさに採掘の現場だった。抉れ、穿った後が残る。 「ステラ!?」 空洞の真ん中に少女が倒れていた。 シンが駆け寄って、ステラを抱え込む。 冷えていたけれど、奥から体温が伝わってくる。鼓動も微かな吐息も。 息がある。 良かった。 ホッと一息ついて、軽く頬を叩くと目を開けた。 「・・・シ、ン・・・?」 自分の力で身体を起こして、シンを凝視する。その後、くるりとあたりを見渡した。自分がどこにいるか分からないといった感じでぼんやりとしている。 「あれ・・・たねいしがない」 「・・・? ステラ、変な奴らに誘拐されたんだよ。覚えてるか?」 「誘拐・・・?」 事態が飲み込めずに彼女は、シンの周りを見上げて、びくっと震える。見知らぬ人間を見つけたのだ。シンは慌てて彼らの紹介を始めた。 「この人達と一緒に助けに来たんだよ。大丈夫、怖くないって」 「本当?」 「ああ、この人がミーア、その横がアレックスで、俺の後ろにいるのがキラ」 ミーアがしゃがみこんで、手にキャンディーを差し出した。ステラの視線はミーアの頭の上に集中する。 「みみ・・・・・・」 「あたし、キャンベラなの。よろしくね」 そろそろと包みを取って口に入れると、ようやく落ち着いたのかステラ立ち上がる。 「ステラ、たねいしを探しに来たの。見つけたと思ったのに、ここにない?」 「は、タネイシ?」 「うん、研究所がここで作っているって聞いたから」 シンはポカンと聞いているだけだったが、アレックスが反応して少女を見る。 ポツポツと話すステラは、どうやらオレンジ頭達に無理やり誘拐されたわけでもなさそうだった。タネイシやら研究所はさっぱり検討が付かないが、こんな所にずっと居るわけにもいかない。 「早くここを出―――」 「でも、ここの石を使えば人工タネイシができるかも・・・」 シンが早く帰ろうと言おうとした矢先、ステラがトコトコと採掘中の壁に近寄る。しかし、そんなステラを放っておかない人間がいた。すばやく彼女の肩を掴んで振り向かせる。 「なんで、そんな物騒なモノを知っている。あの秘密研究所とどういう関係だ」 問いただしたのはアレックスだった。 凡庸と見上げるステラが口を開くが。 「え、ステラ知らない。ネオから聞いただけ、今度の狙いは人工タネイシなんだって」 「人工種石だと!?」 驚いた彼が繰り返した時、背後から暢気な声がした。 「お取り込み中悪いんだけどさ、アレックス。お前の相手は俺達だって事忘れてない?」 舌打ちして振り向いた彼は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。 ミゲルとラスティがすぐそこまで来ていた。 急にアレックスがステラに掴み寄ったから忘れていたが、自分達はステラを助けてさっさとここをおさらばしたかったのだ。 「逃げなきゃやばいよね」 「どうやってさ、あいつを囮にしてか?」 キラとシンがこそこそを逃げ出す算段をする。彼らの狙いはアレックスだから上手く差し出せば逃げられるかも知れない。けれど、キラが笑って足元の石のかけらをいくつか拾い上げた。 「残念だけど外れだよ。答えはこうやってさっ」 言うなり拾い上げた石をミゲルとラスティに投げつけた。 それは見事に二人にヒットして、顔を抑えてうずくまっている。となれば今の隙に逃げるしかないことなど百も承知。シンはステラの手を引いて走った。 「こら、待てっ!?」 よろよろと立ち上がる二人の横を通り過ぎれば、彼らの声が背中に当たる。シン達は必死に鉱山の出口まで走った。途中であったコウモリやゾンビなど目もくれずに、それこそ一目散に逃げた。 出口の明かりが見えてホッとしたのもつかの間、ずらりと並んだ警備の男達にシン達はとっ捕まった。空中都市側からすれば、大切な金蔵である鉱山に無断で侵入した犯人を捕らえに来たのであった。 帝国兵とまでは行かないまでも彼らも鎧を身に纏い、後ろ手にシン達を拘束して護送車に乗せようとする。 「やめろよ!」 「静かにしろ、盗人がっ」 「俺達はステラを助けに来ただけだっ、何も盗むつもりなんてない!」 「黙れ、空賊の分際で!」 「分際なんて言われると腹が立つな・・・」 アレックスが一人ごちる。 「文句を言っている場合じゃないけど」 「そうよねえ」 シン1人が騒ぎ、他のメンバーはいたって冷静である。ステラにいたっては言われるがままに拘束されてもう護送車に乗り込んでいる。 自分はいい。バナディーヤにも行った身だ。 キラやミーア、アレックスだって、いざとなれば1人でなんとかするだろう。 けれどステラは? ステラのことを気にしているのは、ここではシンだけなのだ。アレックスとミーアは空賊で報酬の為に付き合っている。キラも差し当たり行く所がないからだ。 俺があの子を守らないと! 「触るなっ。俺は空賊じゃない!」 「空賊じゃないなら名を名乗れ。身の証は!」 空賊は自由人だ。 何処の国家にも属さないことが多い。しかし裏を返せば、ほとんどの民がどこかのコミュニティ、つまり国家なり都市に属している。国民であり、市民である。 「俺はシン。シン・アスカ・プラント。どうなったって、知らないからなっ!」 警備兵達の動きが一瞬止まる。けれど、それだけだった。 「プラント? ふざけたことを言うな! 帝国の王子がお前のような薄汚れたガキなわけないだろう!」 「本当だったらどうする! 俺が王子じゃないって言い切れるのかよ!」 相変わらずシンと警備兵達の問答は続くが、顔を見合わせたのはアレックスとミーアだ。そこにキラが寄ってきて耳打ちする。 「君達、自分で判断したくないなら、君達の上司にでも尋ねたら?」 子供騙しに引っかかったというヘマはしたくない。けれど、もし本当に王子だったらと言う不安がゼロであるわけでもない。判断しかねる警備兵達にキラが助け舟を出したのだ。 「バルトフェルト侯なら王子に会った事くらいあるだろう」 警備兵が仲間を集めて相談し、どこかに連絡を取る。 「えっ、しかし・・・ですが・・・はあ、了解しました」 彼らは腑に落ちない顔でシン達の拘束を解いて、護送車へと乗せる。先に乗り込んでいたステラの拘束も解いて、来た時に見上げるだけだった屋敷へと続く大きな門を潜った。 「ってことは、俺、帝国の王子様に間違われたんだな~」 「えっ、どう言うこと? アレックス」 護送車の中で、アレックスがシンを指差す。 「初めて会った時、シンの奴、俺のこと自分の兄と間違えたんだよ」 そう言うアレックスはシンが帝国の王子であると全く信じていないのか、未だ持ってこいつ呼ばわりである。シンは上目使いに睨みつけるが相手には全く通じていない。 「えっと、帝国の王子って確か4人いたわよね」 ミーアが護送車の天井を見上げて、唇に人差し指を当てる。うーんと何かを思い出すポーズだ。長い耳がギリギリ天井に当たりそうで当たらない。 「黒いわかめ頭の長男と今度アプリリウスに来た銀髪、それから・・・3番目が死んでて、最後、4男」 「シンは最後の4男に化けるわけだね、しっかりやりなよ」 3人が笑ってシンを茶化す。 全く持って面白くない。 屋敷の前で憮然として護送車から降りる。 「判断を仰ぐだけだ。貴様らの疑いが晴れたわけではないからな!」 賓客対応とは行かずに通用口から屋敷に入ることになったが、バルトフェルト侯に会った時の反応を予想して、シンは反撃の機会を待った。 「侯爵がお会いになります」 「やったな、キラ」 呼びに来た小間使いにアレックスがキラに言う。シンは二人を見ると、気が付いたミーアがウィンクする。 「ほら、キラは侯爵に会いたかったでしょ。作戦成功ね!」 俺の作戦は成功した・・・のか? シンは自問自答した。 自分のことがバレナイのならそれに越したことはないし、ステラが守られるなら別にそれでいいのだ。なんとなく気を張っていたのが分かって、息を吐き出す。 「シン、どこ行くの?」 「侯爵様に会いに行くんだってさ。いい子にしてろよ、ステラ。偉い人なんだからさ」 「うん。分かった」 と、本当に分かったのかどうか怪しいステラを筆頭に、どこか浮かれ気分の一行は重厚なドアを開けて、侯爵の書斎へと導かれた。 「これは・・・」 目を見開く侯爵は一体誰を見ていたのか。 「懐かしい顔だ」 シンは必死に侯爵に目で訴える。 俺にことは秘密にしておいて欲しい! 「ヤマト将軍。無事であったのか・・・」 キラを振り返って、肩の力を抜く。 「それに、お久しぶりですな」 ギギギ・・・と首が回る。油の足りない機械のようにシンはバルトフェルト侯爵を振り返った。予想される言葉。 「殿下も。家出中だと、ここまで届いているがね」 4人の視線が集中するのが痛いほど分かった。 戻る 次へ ここでばれてしまうわけですが、どうなるどうする?
https://w.atwiki.jp/mekameka/pages/1393.html
アークライズ ファンタジア / ARCRISE FANTASIA マーベラスエンターテイメント 2009/6/4 Wii 星の力の源“レイ”を利用した光召技術で栄える異世界を舞台とした、新世代ファンタジーRPG バトルはターン製のコマンドバトルですが、APを消費し行動して連携を決めていきましょう みんなのおすすめセレクションに選ばれた Wii あ行 みんなのおすすめセレクション PR アークライズ ファンタジア 公式コンプリートガイド
https://w.atwiki.jp/nothing/pages/498.html
要塞の攻防 アプリリウスは交通の要衝にあり、砂漠に囲まれているとは言え大きな都市だ。地下水を汲み上げて都市に水路を巡らし、広場には噴水がある。元王宮を改造した帝国執政官府からも、外へ通じるゲートへと繋がる大きな広場の噴水が見えた。 「それで、行方は分かったのか。ディアッカ」 机をはさんで男が二人。 一人は軽装備の鎧の上に白いケープ。 もう一人は全身を鎧で包みマントを羽織っていた。 「それが、フェイスの話を総合するとだな、おそらく要塞につれていかれた」 「何も言わなかったのか、あいつは」 「言った所で本当のことだとは、思われないんじゃね?」 噴水の周りで遊ぶ子供達から目を逸らして、銀の髪をした男が窓の前にある大きなデスクに手を付く。その中から一つの書類を拾い上げる。 「ラクーナとか言うレジスタンスの女リーダーは何か吐いたのか」 「それについてはさっぱり。けどまあ、どう見たって死んだはずの王女だけどな」 「厄介な事だ」 指で書類を弾いて腕を組む。 ため息をついてまた窓の外を見つめるのは、言わずもがな、この執政官府で最も位の高い執政官。 「帝都はなんて言ってきたんだ?」 「つれて来いと言ってきた」 「へえ、真贋はっきりしないレジスタンスの女リーダーにしちゃ大した扱いじゃないか」 「どうする、イザーク?」 就任早々、レジスタンスの襲撃に遭うは、死んだはずのアプリル王女が生きているかも知れないは、その上、帝都では弟が行方不明だと大騒ぎ。どうせ飛ばすなら、もう少し楽な左遷先を用意してくれればいいものを。 イザークはそれは無理な話か、と肩の力を抜いた。この度の執政官就任は嵌められたようなものだからだ。 アプリリウスを見事、治めて見せよ。 とは言ったものの、体よい厄介払いであり、帝都から遠ざけ、あわよくばレジスタンスにどうにかされてしまえと言う目論見が透けて見えた。 随分と嫌われたものだ。元老院にも、兄にも。 ふふ、と笑ってまた窓の外を一瞥する。 巨大な建物の向こうに壮麗な王宮が聳え、建物と建物の間を小型飛空挺や乗り合い飛空挺が行きかう帝都とは大違いののどかな風景。 「確か要塞には今、フェイス・カガリが向かっていたな」 「・・・・・・そっちかよ」 2年前、バナディーヤ要塞での攻防戦の折に、ここアプリル王国とプラント帝国との間で停戦条約を結ぶと言う計画が進んでいた。勝ち目がないと悟ったクライン12世が帝国との和平交渉を進め、帝国が出した条件を飲む形で停戦条約が結ばれるはずだった。 ところが、条約直前にしてクライン12世は帝国に下るを良しとしない王国の徹底交戦派に暗殺され、最終的に王国は帝国に飲み込まれた。 その後、この悲劇の要塞は堅牢な作りを利用して極悪な囚人の牢獄として再利用されることになる。篭城を見越した造りは外からの侵入を許さない代わりに、中からの脱出も容易ではないからだ。攻防戦で損傷した地上部分を崩し、地下から地上へと出る通路を塞いでしまえば地下牢獄の出来上がりと言うわけだ。 明り取りの窓から光が入るが頑丈な鉄策で覆われ、絶えず帝国兵が見張っている。 乾いた砂と地下独特のかび臭い匂いに、シンは目を覚ました。 「ようやく気が付いたか」 「ここは・・・」 シンの視界には石作りの壁にもたれて横たわるアレックスだけ。 「バナディーヤ要塞だ」 「ここが・・・」 立ち上がって部屋を出る。何かの貯蔵庫だったろう部屋が幾つも並び、それぞれに囚人がいるが、部屋の鉄策は空いていた。だから囚人達は自由に地下の牢獄をうろついていた。一周して戻って来ると、アレックスが出て行ったときと同じ格好で壁にもたれていた。 「ミーアは?」 「出口を探してくるらしい」 「じゃ、俺も」 「うろうろするな。無駄な体力を消耗するだけだぞ」 腰をお下ろしたまま、偉そうに説教される。 「!・・・なんだよ。俺の勝手だろ」 シンは牢獄に収監されてしまったと言うのに、妙に余裕のある態度が気に入らなくてズンズンと部屋を出て行く。 俺だけでも出口を探し出して、こんな所抜け出してやる。 あんな奴、銃がなけりゃ何もできないじゃないか。 意気込みだけは一人前のシンだった。 改めてこのバナディーヤ牢獄の探索を開始してみると、色々なことが分かってくる。ここに収監されているのは極悪人ばかりでなく、単純に騙されて連れて来られた者や、未だに王国復興願う政治犯もいた。 とにかくぶち込んでおけ! と言った感じである。 基本的に囚人の動向にはノータッチで、その上、水も食料も配給されないと知って、この牢獄から出た者の話を聞かないのか、その理由を知った。 井戸は枯れていたので、雨水を溜める貯水槽が唯一の水源だが、雨などこの砂漠の真ん中でいつ降るというのだろう。 雨季の一時期の水が残っていたが、とても飲めそうな色をしていなかった。 ちらっと、アレックスの言葉が頭をよぎるが、シンは又すぐに出口の探索を始めた。体力を温存するよりは、体力のあるうちになんとしてしまおう派だったのだ。精力的に聞き込み調査をした結果、ある糸口を掴む。 一見無秩序に見える牢獄だが、確かに囚人達を暴力で押さえつけ、帝国兵に媚を売る囚人がいるのだ。 「この先は奴らの縄張りだ」 静止を振り切って足を踏み入れる。薄暗い地下で囚人達がたむろしている所は同じだった。シンが2・3歩進んだ所で上からものすごい音がして、頭上から囚人が振って来た。 「な、おい、大丈夫か!?」 慌てて駆け寄るが、他の誰一人として手を差し出そうとするものがいなかった。彼らが一斉にシンの後ろに視線をくべる。 「おい、小僧・・・そいつは俺様に楯突いた」 巨大を揺らすのは人間とはまた違った種族。 「だからって、殺すことないだろ!!」 「親分、このガキも楯突く気らしいぜ」 仲間が2人現れる。親分には子分が付物。 3人に囲まれて、シンは腰に手をやったのだが。 剣がない! そう、荷物は全部取り上げられてしまっていたのだ。 シンはとんでもないピンチと共に、彼らの闘技場へと引っ張り出されることになった。 「ああ、臭い。人間の匂いがぷんぷんする。俺様はこの匂いが大嫌いなんだよ」 しかも相手は木の棒に石を括りつけた斧を取り出してきて、ギリリと歯を食いしばって構えた、その時。じゃりと砂を踏みしめる音がした。 「ああ、確かに臭いな」 声はシンの後ろからした。地下の牢獄で暇しているはずのアレックス。 「何だと!?」 「お前の方が臭いって言っているんだ」 挑発してどうする。シンはアレックスに文句を言ってやろうと思ったけれど、何か考えがあるのかと静観したが予想は大きく外れた。 さらに手を差し出して、「さっさと来い」とばかりにくいっくいっと指で相手を招く。 「人間の分際でっ!」 「お前は豚野郎の分際だろう」 円形の闘技場になだれ込む親分子分3人とシン・アレックス組の乱闘が始まった。 ぶよん。 脂肪の感触に鳥肌が立つも何とか子分の一人を殴り倒す。闘技場の周りには野次馬が集まって来ていて、やんややんやの騒ぎに発展していた。普段は剣でやっつけるところを全くの無手で殴る蹴るの戦いに息切れする。同じく素手で戦っているはずのアレックスを気にする余裕もなかった。 突如、視界に子分が入ってくる。 間髪いれずに右ストレートが入り、倒れる前に回し蹴りで闘技場の壁まで吹っ飛んでいた。子分が一人、びくともせずにドサリと伏す。 空賊って・・・野蛮だ。 フッと鼻で笑って、今度は親分に向かって手招きをする。 「この野郎がぁ」 振り回した斧を蹴り上げて、バランス崩したところで足を引っ掛ける。巨体を支えられなくて後ろに倒れる所に、ちょうど良く振ってきた石の斧を掴んで振り下ろす。 シンは思わず目を瞑っていた。 惨事を覚悟して目を開ければ、斧は豚親分の頭のすぐ横に突き刺さっていて、アレックスが立ち上がる所だった。 「なあ、アレックス。あいつ・・・」 「ちっ、シン、こっちだっ!」 いきなり手を引っ張られて驚いていると、闘技場の入り口に鉄策が降ろされようとしていた。何とか滑り込んで間一髪閉じこまれるのを免れたと思ったら、今度はガチャガチャと鎧の音が複数。 闘技場を取り囲んでいた野次馬達を退けて姿を現したのは、鎧の集団を引き連れた、さらにいかつい鎧を着けた帝国兵だった。帝国兵の前にざっと出てくる男が2人。1人は金髪、もう1人はオレンジ頭だった。 その姿をみてアレックスが舌打ちする。 「あらー。あいつら性懲りもなくアレックスの尻を追い掛け回しているのね」 「・・・ミーア」 闘技場の入り口でミーアが待っていた。 身を潜めて、アレックスがオレンジ頭の男達の背後に居る、一人だけ違う鎧姿の帝国兵を見る。 「フェイスマスターがなぜこんな所に」 フェイスマスターならシンも良く知っている。 帝国には各部隊に必ずフェイスと呼ばれる現場監督がいて、現場を取り仕切る権限を持つ。そのフェイスを束ねるのがフェイスマスターであり、帝国の法の番人と呼ばれていた。強大な権限を有し、一人で立法、軍事力の行使を含めた裁定を下すことができる。 「手配中の空賊はいたのか?」 「いや、上手く隠れたみたいで。別を当たりますか」 金髪頭が答える。 「そうするのだな。私もこのようなくだらない事で時間を無駄にしたくない」 数人しかいない彼らは皆、特徴的な鎧を身に纏い、およそ法の番人とは程遠い格好をしていた。目の前のフェイスマスターは2本の渦巻く角を持つ兜を被り、マントを翻して去っていく。 「まるで死刑執行人だな」 アレックスの評通り、フェイスマスターは全土で帝国の力の象徴として恐れられていた。フェイスマスター達が去ってこの場の緊張がほぐれると、ミーアがアレックスに伝える。 「風の流れる先を見つけたわ。でも」 「でも?」 「用心しないと駄目よ」 少しだけ低く答えたミーアの答えにアレックスも意味深に返す。 「シードを感じる・・・か」 3人はミーアに連れられて要塞の奥深くへと進んだ。 「封印魔法の扉。シードの発生源はこれか」 「ええ、私では手出しができなかったけれど、さっきのフェイス達が開けてくれたようね」 全ての魔法の源・シード。 途中で奪い返した荷物を確認しながら、シンは二人の会話を聞き流す。少ないがシードを使いこなし、魔法を使える人たちがいる。傷を治したり、炎や氷を作ったり、とにかく奇跡を起こすことができる。 空気中に含まれるシードを集めて魔法を使うのだといわれているが、魔法の使い方を知らないシンには良く理解できない。 帝国兵との接触を避けて進んだ先から声が聞こえてきて、3人はさっと身体を隠す。 「何て言っているんだ? 聞こえない」 「しっ、黙ってろ」 突き出したシンの頭を押さえてアレックスが小声で話す。 3人は出口と睨んでたどり着いた要塞の最深部で、フェイスマスターと遭遇した。重要な囚人を収監しておく特別な場所で、フェイスマスターが鳥かごの中の囚人と話をしているようだった。 「少し痩せたか? キラ」 「君もね」 「知っているか。アプリリウスではまた暴動騒ぎだ。なんと、死んだはずの王女が今度のリーダーらしい」 ガチャリと鎖が揺れたようだった。 「何もできない自分が、口惜しいか?」 「君こそ、こんな所で油を売っていていいの?」 「フン、何を言おうと、お前には何一つ守ることはできないのだからな。祖国を裏切ったように!」 ガチャリと鎧がこすれあう音がして一団が去っていく。 「帰るみたいよ」 「風の出口は、あの鳥かごの下か?」 鳥かごの下? 見た所大きな井戸の上にぶら下げてあるようにしか見えないから、シンは首を傾げる。 「うわ、戻ってきた」 「急ぐぞ」 急ぐって何処にだよ! 走り出したアレックスとミーアについていくが、鳥かごの中の囚人に声をかけられた。 「君達、ここから脱出するの?」 「だったら何だと言うんだ」 シンが答えるより早く、アレックスが答えていた。今までになく機嫌が悪い感じだ。 「待って。僕も連れっていって」 「じゃあ、こうしようか」 そう言ってアレックスが鳥かごの杭を蹴り倒した。 鎖の音と共に鳥かごが落下し、シン達3人は慌てて鳥かごに飛び乗った。 「またこのパターンかよーーーっ!」 シンの叫び声が小さく木霊して、鳥かごもろとも要塞の最深部から姿を消した。 いてて。 肩や足がジンジンと痺れていて、身体中の痺れで目が覚めたようなものだった。シンは身を起こすと崩れた岩肌とひしゃげた鳥かごを見つけた。 うわ、中の奴大丈夫かよ。 思わず心配してしまうほどの壊れようだったが、当の囚人は何事もなく逃げ出してシンよりも早く気がついていたようだった。 「風はあっちに流れていくわね」 「また、だいぶ遠そうだな」 「もうアレックスには道案内を頼まないわよ」 「分かっているさ」 うんざりした声音のアレックスが立ち上がると、ミーアが地下道の先へと目を凝らした。 「坑道かしら。電気配線があるわ」 「要塞の地下は坑道に繋がっていてアプリル砂漠に出ることができる」 3人が一斉に囚人を見た。 「詳しいんだな。確かお前、あのフェイスにキラと呼ばれていたな。どういう知り合いだか・・・」 アレックスの独り言を制して、名乗りを上げたその名。 「僕はキラ・ヤマト」 アプリル滅亡を作った男。 「キラ・ヤマトって!」 「ああ・・・お前が裏切り者のヤマト将軍とはね」 2年前、和平を模索した国王を弑逆した将軍ではないか。 徹底抗戦を唱えたタカ派のトップ。噂に悪名高い将軍にこんな所でお目にかかれるとは思ってもみず、シンはまじまじとそのキラという男を見てしまう。驚いたのは皆同じだったのか、ミーアは思いっきり口に出してしまっていた。 「生きていたのねえ」 「あれは僕じゃない」 「男の言い訳はみっともないな。本当に将軍なのか?」 「じゃあ、誰だって言うんだよ」 「それなら、2年前の真実を話せば信じてくれるかな」 シンの好奇心は頭を擡げて、脳裏で2年前の歴史を思い浮かべていた。 和平への道を絶たれたアプリル王国は、要塞攻防戦後に砂漠で玉砕し、無条件降伏となったはず。その際、将軍は討ち死にしたと伝えられていたが。 嘘だったのだろうか。 目の前の男は本当に、本物なのだろうか。 キラ・ヤマトと名乗る男の口から語られた真実にシンは絶句し、ミーアは息を呑む。そして、アレックスは眉をひそめた。 「双子の姉が将軍に化けて国王を暗殺。その罪を擦り付けた・・・そんな話、誰が信じる」 嘘も休み休み言えという内容だが、シンにはなぜかそれが全くの作り話とは思えなかった。 「信じてもらえなくてもいい」 「じゃあ、なんで話したんだよ」 シンの突っ込みにキラはなぜか謝る。 「ごめん」 「いい年した男が『ごめん』とか言うな。気持ち悪い」 やってられないとアレックスが歩き出し、ミーアが苦笑して後に続く。残されたシンがキラを即して立ち上がらせた。 「彼は・・・?」 「あいつはアレックスって言って空賊。口は悪いし、手も悪いし、手配中だし、絶対、あーゆう空賊にはなりたくないね」 「ふぅん」 キラの伺うような視線を知らずに、シンは手招きした。並んで歩き出すと、相手のほうが少しだけ背が高かったが、身体はずっとがっしりしていた。 「で、君は誰なんだい?」 「俺は。シン」 坑道にも巣食った野良動物や、仕掛けられた様々なトラップがあったが、将軍を騙るだけのことはあって、キラ・ヤマトがめっぽう強かった。意外と早く、大した支障もなく砂漠に出ることができた。 久しぶりの地上に、シンは大きく息を吸った。 「ぶはっ、げほげほ」 砂交じりの熱い空気は冷たい地下の空気に慣れたシンの肺には少し刺激的だったようだ。咳き込んで涙目になったシンを、アレックスとミーア、そしてキラまでもが笑いながら見る。 それからアプリリウスへと戻る道中は、意外にも和気藹々と進んだ。 アプリリウスの噴水の前で別れるのが少し寂しいくらい。 「とにかく上手い物。冷たい酒」 「やだアレックス、まるっきり酒場の親父じゃない」 「じゃあな、シン。あれについては、いつか貰いに行くから」 ミーアと歩いていく先は酒場が集まった界隈で、このままさよならすればもう二度と会うこともないだろうと思ったのに。 「覚えていたのかよ」 そうは問屋が卸さなかった。 「僕もこの辺で」 「アンタも気をつけてな。すっげえ重要参考人なんだから」 「そうだね。じゃ」 南のダウンタウンへと歩いていく元将軍も街の人ごみに紛れてしまえば、とてもそうは見えなかった。 シンは今一度大きく息を吸い込んで、噴水の水で口の中をすすいだ。 袖口で顔を拭いてて、噴水の向こうに見える元王宮を見上げる。 兄上、びっくりするだろうなあ。 あっ、でも昼間っから会いに行っても仕事の邪魔になるか。 シンが思案していると噴水の向こうに、シンを王宮へと誘ったスティングとアウルがいた。 「そういや、ステラ・・・無事だったかな」 金髪の少女を思い出して、彼らのほうに回り込む。 その様子を金髪頭とオレンジ頭のコンビが見ているとも知らずに、シンはスティングとアウルを呼び止めた。 戻る 次へ ああ、段々長くなる・・・すんません、オレンジ団一人減りました。
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/9462.html
3DS シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール ゲーム発売日:4月24日 収録楽曲200曲以上!前作の楽曲はもちろん、新規曲を90曲以上追加! 充実した曲数で「この曲なつかしい!この曲知ってる!」がきっとみつかる♪ さらに、キャラクターも前作の全29人に新キャラクターを30人以上追加! 登場モンスターも40体以上追加!収録曲数とバリエーション、 登場キャラクターが大幅に増えたことで、さらに充実した「FF」の世界をお楽しみ頂けます。 また今作では、タッチパネルの操作だけではなく、ボタンでの操作も可能に! 2001年放送。 http //gonzo.co.jp/works/0101.html 総監督 前田真宏 コンダクター 米たにヨシトモ 副監督 竹下健一 助監督(19話~) 平池芳正 シリーズ構成 冨岡淳広 キャラクターデザイン カーメル7(草彅琢仁、中嶋敦子、岸田隆宏、平田智浩、ムラオミノル、前田真宏)、中澤一登 メカデザイン 小林誠 モンスターデザイン 宮尾佳和、前田真宏 美術監督 朴傭一 美術レイアウト 増尾昭一 色彩設計 黒柳朋子 デジタルディレクター 平田智浩 3Dディレクター ソエジマヤスフミ 2Dディレクター 林コージロー、瓶子修一 編集 重村建吾 音響監督 鶴岡陽太 効果 野口透 調整 矢野さとし テーマ音楽 植松伸夫 音楽 浜口史郎、多田彰文 アニメーション制作 GONZO DIGIMATION 脚本 冨岡淳広 吉村清子 佐藤和治 神山修一 絵コンテ 米たにヨシトモ 中村隆太郎 善聡一郎 前田真宏 わたなべぢゅんいち 阿部記之 高田淳 宮尾佳和 笹木信作 静野孔文 佐山聖子 平田智浩 紅優 吉田徹 鹿島典夫 原口浩 日高政光 追崎史敏 演出 竹下健一 中村隆太郎 和田裕三 大原実 わたなべぢゅんいち 吉田徹 木村真 宮尾佳和 山田弘和 静野孔文 山内東生雄 磨積良亜澄 佐山聖子 平田智浩 紅優 原口浩 森邦宏 平池芳正 作画監督 大久保宏 追崎史敏 ムラオミノル 服部一郎 門上洋子 新号靖 中本尚子 佐々木かずひろ 野武洋行 相坂直紀 菅井嘉浩 きよまるさとる 桜井正明 吉田隆彦 沈賢玉 李鐘萬 しんごーやすし 佐々木敦子 江上夏樹 ■関連タイトル FF U~ファイナルファンタジー アンリミテッド~ 異界の章 Phase.1 3DS シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール FF U~ファイナルファンタジー アンリミテッド~MUSIC ADVENTURE Verse.1 OPテーマ 植田佳奈/Over the FANTASY ドラマCD「FF U After2-リサ たちきられたくさり-」 ムック ファイナルファンタジー アンリミテッド 風と雲のいた世界 ファイナルファンタジー アンリミテッドアフター~外界の章~ 小説 片桐笙・中澤一登/ファイナルファンタジー アンリミテッド―双の絆 Windows FF U~FINAL FANTASY UNLIMITED~迷宮 くろきゆめのきおく フィギュア・ホビー:ファイナルファンタジー 原作ゲーム PSP アルティメットヒッツ ファイナルファンタジー